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北海道庁赤れんが庁舎[札幌]

地下鉄さっぽろ駅から歩くこと数分、やってきたのは「北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)」。

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こちらの庁舎は、明治21年にアメリカ風ネオ・バロック様式で建てられ、約80年に渡って道政を担ってきました。

“赤れんが庁舎”の愛称で知られており、赤レンガ造りに銅製ドームなど、ちょっと東京駅の赤レンガ駅舎を彷彿とさせる立派な建築物ですね♪

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現在は会議室の他、文書館・開拓記念館・樺太関係資料館などとして一般公開されています。
館内は『いまでも現役で行けそう』というぐらいで、展示物も無料とは思えないほど充実しています。

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個人的には、北方領土関連の展示が興味深かった。
(展示内容を信じるなら)4島返還でも大分控えめな要求なんですね。むしろ、千島列島全島返還請求してもいいぐらいw
というか、千島列島全島返還要求→4島返還で妥協、が戦略的に妥当だったかも!?

そうそう、あと間宮林蔵が伊能忠敬に弟子入りしてたとは、今回初めて知りました(^^

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↑庭の桜&池越しの風景

札幌観光の際は、寄って損のないスポットだと思いますね。

北海道庁旧本庁舎【HP
札幌市中央区北3条西6丁目
TEL. 011-204-5019
営業 8:45~18:00 
定休 年末年始

ろいず珈琲館 旧小熊邸[札幌]

札幌で泊まった「札幌エクセルホテル東急」は素泊りプランだったので。。。
朝食を食べにやってきたのは、藻岩山の麓にある喫茶店「ろいず珈琲館 旧小熊邸」。
ホテルから車でおよそ10分ほどです。

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こちらの建物は、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子で、北海道を拠点に活躍した田上義也氏が設計した旧小熊邸で、いまはリノベーションして喫茶店として利用されています。

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じつは、この3日前、函館で同じく田上氏設計の古民家を利用したカフェ(日和茶房/旧佐田邸)に行ったのですが、まだ冬季休業中で入れませんでした。
http://junk.interior16.net/2015/05/post_120.html
なので、こちらで軽いリベンジというか、『函館の敵を札幌で討つ』的な?(笑)

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水平線を強調した深い軒に、幾何学模様の窓廻りなど、“ライト”モチーフが随所に観られます。
藻岩山の麓で自然に囲まれた立地からすると、住宅密集地にある旧佐田邸よりも“プレーリー・ハウス(草原住宅)”と呼ばれるのにふさわしいかもw

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店内も、開口部を含めた壁や天井などはよく保存されているのですが、残念なのは床。
(喫茶店ゆえ)汚れを落としやすそうな安っぽい床材に丸々張り替えられているんですよね。。。

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家具(テーブルや椅子)も普通の喫茶店ってかんじですし、その辺もっとこだわってくれると、より魅力的なお店になるんですけどねぇ(^^

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そうそう、モーニングタイムにドリンクを頼むと、トースト1枚とゆで卵1個が無料でついてきます。タダなので、薄~いトーストですけどね、朝食にはよいサービスですね。
コーヒーはおいしかったです♪

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ろいず珈琲館 旧小熊邸【HP
札幌市中央区伏見5-3-1
TEL. 011-551-3939
営業 9:00~21:00 ※無休

ノアの箱舟[札幌]

今回は、小樽から札幌へ移動。
泊まったホテル(札幌エクセルホテル東急)のすぐそばには、こんな建築物がありました。

中に入ってるお店は「北の海鮮炙り ノアの箱舟」です。

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奇抜なデザインのこの建物は、バブル時代、イギリスの建築家ナイジェル・コーツ氏によって建てられました。
店名とおり“ノアの方舟”をモチーフにしてます。

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バブル当時、建築学科の学生だった私としてはちょっと感慨深い(^^
(写真では)石造り的(正確にはコンクリ?)な印象ですが、実際に観ると、2階の窓廻りの木造作がなかなか見応えがあります。

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店内も観たいところですが。。。
こちら、炉端焼きのお店なんですが、コース料理のみ&店員が1テーブルに1人付いて焼いてくれる、という、一人客には非常に入りづらいシステムで、断念しました。
普通のお店だったら入ったのになぁ(><)

ノアの箱舟【HP
北海道札幌市中央区南8条西4
TEL. 011-521-3022
営業 17:00~23:00 ※無休

北のウォール街めぐり(2)[小樽]

(前回からのつづき。。。)

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≪旧越中屋ホテル≫
小樽の老舗旅館「越中屋」が外国人専用ホテルとして1931年に建築。
その後、軍の接収など(所有者&用途が)転々としたあと、1993年に再びホテル(小樽グランドホテルクラシック)に。それも2009年に経営破たん。

いま見ても、色あせてないモダンなデザインですよね~♪
閉館したのがもったいない。。。

住所:北海道小樽市色内1-8-25

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≪旧北海道拓殖銀行小樽支店≫
現在は、「ホテルヴィブラントオタル」として利用されています。
設計は国会議事堂を設計した矢橋賢吉氏とか。
ってか、国会議事堂の設計って色々いわくつきなんですけどね~w

小樽で宿泊するならこちらに泊まったのになぁ。。。

住所:北海道小樽市色内1-3-1


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≪日本銀行旧小樽支店金融資料館≫
“北のウォール街”内で、最も代表的な歴史的建造物です。
なんといっても日銀の旧支店ですからね~、現在は金融資料館として利用されています。

重厚な石造りの外壁に緑色の屋根が、ちょっと日銀本店を彷彿とさせますね。
屋根の上の5つのドームが特徴的。ルネッサンス様式だそうですが、設計は東京駅赤レンガ駅舎や日銀本店を設計した辰野金吾氏だそう。
おお、知らなかったorz

また、金融資料館なんて固くてつまらなそうと思い、あまり時間がなかったのもあり、入らなかったのですが、金庫が見れたり、1億円のサンプルがあり重量が実感できたり、とかけっこう充実しているらしい。ああ、入っておけばよかった(><)

住所:北海道小樽市色内1-11-16

主だったところは以上ですが、函館の歴史的建造物と比べると。。。
函館は西洋の建築様式を踏襲しているものの、木造の洋館が多かった。
一方、小樽では見た目石造り(中身は鉄筋コンクリート造)が中心となっていますね。

年代が違う(函館:明治~ 小樽:昭和初期~)のと、持ってるお金(規模)の違いが理由でしょうか?(^^

北のウォール街めぐり(1)[小樽]

小樽運河の東100mあたりを平行して走る色内大通り沿いの2,3ブロックに、各銀行の旧小樽支店の建物が集中しています。
かつて“北のウォール街”と称されていたエリアです。

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銀行だけあって重厚で立派な建物が多く、いまや歴史的建造物ですから、建築好きにはたまらないエリアですね~(^^

そこで(前回の)運河プラザから近い順に巡ってみました。

≪旧第四十七銀行小樽支店≫
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外観は石造りのように見えますが、中身は木造だそう。
周りの旧銀行の建物はみんな鉄筋コンクリート(RC)造系なのに。。。弱小銀行だったのか?w
デザイン的には、昭和初期の銀行店舗の典型スタイルだそうです。

住所:北海道小樽市色内1-6-25


≪旧塚本商店≫
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元は呉服問屋として建てられ、現在は商業テナントになってるようで2Fにカフェが入っています。
黒塗りの外壁に瓦屋根で、パッと見、木造建築かと思ってしまう外観ですが、実際は木骨鉄網コンクリート造だそうです。
あまり聞き慣れない構造ですが、(明治の大火のあとで)防火性を意識した造りみたいです。

住所:北海道小樽市色内1-6-27


≪小樽商工会議所≫
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1933年に建てられた鉄筋コンクリート造の建築。
エントランスには大理石が用いられ、外壁には模様の彫刻が施されるなど、周りの旧銀行建築と比べると、やや装飾的な建物になってますね。
ちょっと前に5,000万円で売りに出されていたらしいです(^^

住所:北海道小樽市色内1-6-32


≪旧三井銀行小樽支店≫
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ファサードに見えるアーチやコーニス(軒蛇腹)が印象的なルネッサンス様式の建物。
シンメトリー(左右対称)なデザインなので、非常に重厚感がありますが、やや華美さには欠けるかもw
構造は、当時、関東大震災後の耐震構造の最先端だった鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造。

ほ~、つまり、懐古主義(=ルネッサンス)の皮を被った最先端建築(=SRC造)だったわけですね♪

住所:北海道小樽市色内1-3-10


次回につづきます。。。

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Profile

市朗。横浜在住。
建築学科卒。30代。木フェチ。
F.L.ライトやハンスJ・ウェグナーが好き。

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